SF雑誌や三流エロ劇画誌が主な受け皿となっていた
70年代後半〜80年代前半の劇画の状況の中でも、
月刊漫画ガロはその中核として多大な影響力を持っていた
この時期に登場した新進気鋭の作家たちは
古色然とした劇画の澱みを快く思わない読者たちから
大変な支持を集めていた しかし中には
いたずらにタブーに踏み込むのみに終始した作家も多く居て
それらも等しく高く評価されたのも事実であり
この辺りの面白主義的傾向を助長させたのも、
他でもないガロである。それが良かったのか悪かったのか
蛭子能収、菅野修など見てると悪くなかった気もする
ガロを出していた青林堂とは別に、この時期の劇画の新派を
積極的に紹介していた出版社に「けいせい出版」があるが
そこで劇画家としての黄金期をまるまる終えてしまったのが
平口広美である。
スターリンの『電動こけし』のジャケでしか知らない人の方が多い、
たぶん。その後のAV監督や風俗レポーターとしてのキャリアの方が
圧倒的に知られる。
踊り回る描線に対して驚くほど冷徹な人物の動き、
狂った遠近感、空白、文字。
彼のエロ漫画には残虐なシーンが多いが、
抑圧と被抑圧の狭間の安易な劣情はほとんど描かれない
男女双方の視点から、無産階級の暴動が淡々と描かれる。
彼の劇画の基本構造は資本家と労働者の対比である。
搾取する、されるの不毛な関係を軽やかに暴いてゆく。
それがかっこ良かったんだがなぁ・・
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